「データ分析が重要である」というのは、近年様々なものがデジタル化されている社会、産業においては否定のしようがない意識ではありますが、「ビッグデータはウチには関係ない」ですとか、「何をどうすればよいのか見当もつかない」とお悩みの方も多いかと思います。

そこで、今回は「データ利活用の目的を決めるための3つの視点」をご紹介致します。

「データ利活用」や「データ分析」というとどうしても「コストがかかる」「難しそう」というイメージが先行してしまいますが、この3つの視点を理解すれば、何のためにデータを活用すればよいのか、ということが分かりやすく感じて頂けると思います。

データ活用のための4ステップ

まず、データ利活用のためには以下の4つのステップを踏んでいく必要があります。

1
目的を決める

何を明らかにしたいか、解決したいかを決める

2
データを集める

様々な視点から目的に沿ったデータを集める

3
データを分析する

データを分ける、整理する、選択する、解釈する

4
「情報」を創り出す

データに意味を持たせる

この4つのステップの中で一番上に位置している「目的を決める」ということが、データ利活用の成果を大きく左右します。

今回は「目的を決める」というステップでの、「GCRの視点」というものをご紹介致します。

「GCR」の視点

データ分析のサイクルで最も大切なことはこの「目的を決める」ということです。

近年では「データサイエンス」や「AIによる自動分析システム」といったことが話題になりますが、それらはあくまで手段であって、大多数の企業にとっては「データサイエンスやAI」そのものが仕事なのではなく、経営者も「データ分析」がやりたい訳ではないかと思います。

よくあるのが「ビッグデータを使って何かをやってみろ」と経営層から言われて途方に暮れてしまう、というものですが、目的が明確に決まっていないからこそ起きてしまうことです。

目的の決め方としておススメなのが、Growth、Cost、Riskという3つの観点で考えてみることです。(3つの単語を頭文字を取って「GCR」)

Growth

Growth(成長)の視点とは 、クライアントやビジネスパートナーといった利害関係者との信頼関係の構築・維持を通じたビジネス機会の創出を意味します。

簡単に言うと、商品やサービスの差別化、マーケティングの高度化を目指していくためのデータ活用、ということになります。

つまり「売上を出す」ことを目的とするデータ利活用のイメージです。

 Cost 

Cost(費用)の視点とは 、「資源の最適配置による効率化」を通じたコスト削減のことです。

例えば、コストを削減するために自社のマンパワーであったり、資材といったものを効率的に活用する仕組みを作ったり、RPA(Robotic Process Automation)のようなバックオフィスの自動化や作業工程の機械化、といったことが挙げられます。

コストをいかに下げるか、という視点でのデータ利活用のイメージです。

Risk

Risk(危機回避)の視点とは 、「リスク管理の高度化」のことです。

近年は、コンプライアンス、オペレーション、情報セキュリティ、人材管理など、企業のリスク管理は非常に複雑で多岐に渡っています。

企業経営の根幹にあたる、市場リスクや信用リスク、不正検知、サイバーセキュリティといった分野にデータを活用していくイメージです。

これらの「GCR」の視点というのは、「データ利活用」だけに留まらず、企業経営の目的そのもの、と言い換えることもできます。

データを活用せずに、売上を伸ばし、コストを減らし、リスクを避ける、ということは、データがあまりない時代では当たり前のことであったのかもしれませんし、いまだに「勘と経験と度胸」といった経営をしている企業も少なくはないでしょう。

しかし、データを上手く活用していくことで、今まで 「勘と経験と度胸」に頼らざるを得なかった分野でも合理的に扱うことができるようになるくらい範囲は広がってきています。

AI、IoT、デジタルトランスフォーメーション、といった言葉を聞くと「うちも何かしなくては!」という気持ちに駆られることは理解できますが、今一度、「何のためにデータを使うのか」ということを立ち返ってみてはいかがでしょうか。