「自社のデジタル化って、どうすればいいかわからない…」「どこからデジタル化を進めていけばいいのか検討もつかない」「自社のデジタル化は本当に必要なのだろうか?」と困っている経営者や担当者の方も多いかと思います。

そんなときに役立つのが、自社のデジタル化のレベルを診断することのできる「デジタル化診断」というサービスです。

今回はこの「デジタル化診断」というサービスの概要や使い方を解説し、自社のデジタル化の度合いや、何が必要なのかを判断する方法・コツについて解説いたします。

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なぜ中小企業が自社のデジタル化のレベルを知る必要があるのか?

そもそも、なぜ自社の「デジタル化のレベル」といったものを知る必要があるのか、疑問に感じる方もいるかと思います。

以下に、中小企業が「自社のデジタル化のレベル・度合い」をなぜ理解する必要があるのか、についていくつかの理由を解説します。

  1. 現状を把握する
  2. 数値化して客観的に理解する
  3. 優先順位を明確化する
  4. 実態に即した対策を考える

理由1. 現状を把握する

まずは、現状を把握することが必要です。自社のデジタル化の現状を正確に把握することで、課題や問題点を明確化することができます。

どんな業務がデジタル化されていて、どんなツールが使われているのか、どんな業務がアナログ業務になっているのか、といったことを経営者や従業員自身があまり理解できていないことも珍しくありません。

現状を正確に理解することが、社内でのデジタル化を進めていくための第一歩になります。

理由2. 数値化して客観的に理解する

現状を把握したら、数値化して客観的に理解することが重要です。

例えば、業務のどの部分がデジタル化されており、どの程度の効果があったのかなどを数字で把握し、客観的に評価することができます。

数値化してみることで、「思ったよりもデジタル化が進んでいない業務」や、「意外とデジタル化が進んでいる業務」といったことを発見するのに役立ちます。

数値化・可視化のイメージです

理由3. 優先順位を明確化する

デジタル化にはコストやリソースが必要であるため、優先順位を明確化することが重要です。

どの部分を優先的にデジタル化すべきか、コストや効果を考慮して判断する必要があります。

特に中小企業の場合は予算や人材などに限りがあるため、デジタル化を進めていくためには優先順位をより明確にしていく必要があります。

一気にデジタル化を進めようとせず、まずは無料トライアルで試せるツールなどを導入して試行錯誤していくことなども重要です。

優先順位付けのイメージです

理由4. 実態に即した対策を考える

自社のデジタル化に必要な対策を考える際には、実態に即したものを選ぶことが大切です。

例えば、ITやシステムの専門家を雇うことができない場合には、ツールやプロセスの改善など、実現可能な対策を選択することが必要です。

自社のデジタル化レベルを診断することによって、こうした現状理解や優先順位付け、課題に対する対策などを立てていく材料にしていくことができます。

実際に、どんなことを診断(理解)する必要があるのか?

では、自社のデジタル化のレベルを把握する上で、実際にどんなことを診断していく必要があるのかについてここでは紹介したいと思います。

社内のコミュニケーション方法 ~デジタル化の土台はここから~

社内のコミュニケーション方法がどの程度デジタル化されているのか、について診断することが重要です。

例えば、電話、FAX、メールといった従来からよく利用されている手段だけではなく、チャットツールWeb会議システムなどが導入され、どの程度利用されているのか、といったことです。

「仕事はみんなが同じ場所に集まって、膝を膝を突き合わせて進めていくものだ!」というこだわりをもった経営者もまだまだ多い印象ですが、社内コミュニケーションに対するデジタル導入が進まないと、他の業務に対するデジタル導入も進みにくくなります。

バックオフィス業務のプロセス ~アナログ業務をデジタル化~

請求書や契約書などの事務処理に対して、まだまだアナログなやり方で人手と工数をかけている中小企業は多いと思います。

こうしたバックオフィス業務に対するデジタル化の効果は非常に大きいため、チェックする上で大切なポイントになります。

また、法律の改正に伴い、電子データの保存や情報セキュリティ対策なども求められるようになっています。

バックオフィス業務の効率化はコスト削減や会社業務全体の効率化に影響を及ぼすため、しっかりとデジタル度合いを把握することが重要です。

社内の通信環境 ~デジタル化にネットワークの整備は必須~

デジタル化を進めていくためには社内の「通信環境」がどの程度整備されているのか、という点も見逃せません。

チェックしたいポイントとしては、「システムやツールの利便性」「セキュリティ対策」「保守・管理体制」「モバイル対応」といったことが挙げられます。

特に、業務をデジタル化していくにあたっては上記でも紹介したチャットツールやWeb会議システム、クラウドでのファイル共有システムなど、ネットワーク環境に依存するツールを数多く導入していかなければなりません。

その際に、「セキュリティ対策」ができていなかったり、「ネットワークが重い・繋がらない」といったことが起こると業務に大きな支障を与えてしまいます。

勤怠管理の方法 ~重要な業務だがなるべく工数を減らしたい~

中小企業にとって「勤怠管理」をいかに「楽に・効率的に」運用していくかは、大きな課題の1つと言えます。

従来は「出退勤時間を従業員が手書きで記入する」「手書きの出勤簿を1ヶ月ごとに集計する」 「手書きの勤怠票を社員の上司が承認する」といったことを行うことが普通でした。

ですが、こうした業務は企業の生産性向上や売上向上にはほとんど貢献しませんので、なるべく人手をかけずに効率よく終わらせたいものです。

デジタルの導入によって、「社員がスマートフォンやパソコンで出退勤時間を入力する」 「オンラインの勤怠管理システムで自動的に集計される」 「管理者がオンラインで勤怠状況を確認し、承認する」といったことが実現できるため、勤怠管理のデジタル化レベルの把握は企業にとって大きなポイントになるでしょう。

デジタル化を診断するために使えるサービス

では、最後に自社のデジタル化のレベルを把握したいときに使えるサービスを3つご紹介したいと思います。

こうしたサービスを使って、まずは自社のデジタル化のレベルを客観的に把握してみるとよいでしょう。

「みらデジ」 (中小企業庁) ~補助金を目指す事業者は必須~

みらデジ」は、中小企業庁が実施する「中小企業向け支援」のサービスの一環で、企業のデジタル化を診断してくれるサービスです。

https://www.miradigi.go.jp/

ヒアリング項目としては、「経営者としての夢・ビジョンについて」「ITツール・デジタルサービスについて」「経営やデジタル化に対する取り組み状況や意識について」といった項目が用意されており、それに答えていくだけで、最短5分で自社のデジタル化のレベルが把握できます。

診断自体は無料で実施できるため、デジタル化に悩んでいる企業は活用してみるとよいでしょう。

また、「IT導入補助金」を申請する際にも、「みらデジ経営チェック」を交付申請前に行った事業者であることが申請要件となっているので、デジタル化に「IT導入補助金」を活用したい企業は必ず診断を受けることが必要です。

「中小企業向けデジタル化診断」 (ソフトバンク) ~ソリューションまで提案~

次にご紹介するのはソフトバンクが実施している「中小企業向けデジタル化診断」というサービスです。

https://www.softbank.jp/biz/solutions/smb/smb-digitalize-shindan/

診断の項目として、「デジタル化の推進状況」「コミュニケーションの実態」「バックオフィス業務の効率化」「法改正への対応」「セキュリティ対策」という5つの項目が用意されており、診断の結果に応じておすすめのソリューションを提案してくれます。

無料で回答でき、5分程度の時間で結果が出るため、気軽に活用することができます。

「デジタル度診断」(KDDI) ~デジタル度をシンプルに診断~

最後にご紹介するのは、KDDIの「KDDIまとめてオフィス」が提供している「デジタル度診断」です。

KDDI デジタル度診断
https://www.kddimatomete.com/product/digital/diagnose/

上記の2つのサービスと比べると、項目や質問数が少なくシンプルにまとめられている印象があり、気軽にデジタル化を診断してみたいときにオススメのサービスです。

「デジタル度診断」のヒアリング項目として挙げられている内容としては、以下のようなものが掲載されています。

  • 個人のデジタル・通信・セキュリティについて
    • 全従業員にスマートフォンを⽀給しているか
    • 社内にWi-Fi環境があり、かつVPNも導入しているか など
  • デジタルツール・コミュニケーション⼿段について
    • 社内外の連絡手段としてメール・電話のほか、テキストチャットも利用しているか
    • Web会議ができるシステムを使い、資料を共有しながら会議進行ができるか など
  • 経費精算・勤怠管理・スケジュールについて
    • 経費の申請や承認はデジタル化され、パソコンやスマートフォンからも処理できる環境があるか
    • 勤怠の打刻や休暇の申請・承認はデジタル化され、スマートフォンなどからも処理ができる環境があるか など

身近な業務のデジタル化がどれほどできているか、という部分に絞った内容となっているため、気軽に活用してみてはいかがでしょうか。

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おわりに ~デジタル化の第一歩は現状理解から~

最後までお読みいただきありがとうございます。

今回は、デジタル化の第一歩として自社のデジタル化のレベルを診断するための「デジタル化診断」の必要性や実際のサービスについてご紹介いたしました。

デジタル化を進めていく際には、自社の業務プロセスや現在使用されている業務ツールなどをしっかりと把握することが大切になります。

そうしたデジタル化に関する社内の問題発見や課題整理でお困りの際は、ぜひお気軽にエスシードにご相談ください。