近年の市場環境の急速な変化や、社会情勢、雇用情勢といった影響を受けて、業務やサービスの「デジタル化」を検討している中小企業の経営者や担当者も増えてきているかと思います。

そうしたときに、「なぜデジタル化が必要なのか?」「デジタル化のメリットは?」「どうやって社内でデジタル化を進めていけばよいのか?」といった疑問が浮かぶこともあるかと思います。

今回は、そうした悩みを持つ中小企業のために、中小企業が「デジタル化」を成功させるために必要なポイントやメリット、事例などを解説していきたいと思います。

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中小企業にデジタル化が必要な理由

まずは、中小企業に「なぜデジタル化が必要なのか?」という理由について解説していきたいと思います。

「デジタル化が必要な理由」をしっかりと理解することで、社内に対する働きかけやデジタル化に対する推進力を得るきっかけにもなります。

ここでは、以下のような理由について順を追って解説していきます。

  1. 人手不足解消
  2. 働き方改革
  3. コスト削減
  4. 情報共有・進捗管理
  5. 競争力の向上

「人手不足解消」をデジタルで解決する

少子高齢化が進む日本においては、人手不足が深刻な問題となっています。

求人を出してもほとんど応募がない、応募が来ても求める人材ではない、という中小企業は多いのではないでしょうか。

そうした中で、業務効率化や自動化による省人化は必要不可欠です。

例えば、例えば、スーパーマーケットでは、自動精算機やセルフレジといった技術の導入をすることで、従業員がレジを担当する必要がなくなり、店内での労働負荷を軽減することができます。

さらに、デジタルマーケティングの導入により、業務を自動化し、労働人口の不足を補うことも可能です。

例えば、SNSを活用したターゲット広告や、プラットフォーマーの利用など、従来の新聞広告やポスティングといった広告手法では到達できなかった顧客層にアプローチすることができます。

以上のように、中小企業がデジタル化を進めることで、業務効率化や自動化による省人化が実現でき、人手不足を解消することができます。また、デジタルマーケティングにより新しい顧客層を開拓し、競合他社に差をつけることもできます。

「働き方改革」をデジタルで推進する

中小企業においても、働き方改革が求められています。

社会的に、これまでの「週5日 8時間勤務」といった働き方の常識が少しずつ薄れていき、場所に縛られない働き方や、育児や介護といったことと両立しながら働きたい人たちのニーズも企業はかなえていかなければいけません。

そうした中で、デジタル化による業務プロセスの改善や、テレワーク(リモートワーク)の導入による柔軟な働き方の実現は急務と言えます。

中小企業が働き方改革を進めるには、経営者の積極的な取り組みや従業員とのコミュニケーションの改善が不可欠です。また、適切な労働時間管理や育児・介護休業制度の充実など、制度的な整備も必要となります。

これらの取り組みとデジタルを組み合わせることで、中小企業がより働きやすい環境を実現し、人材確保生産性の向上につながることが期待できます。

「コスト削減」 ~デジタルでコストを最適化する~

日本の中小企業が直面している財務上の課題の一つに、高いコスト負担が挙げられます。

このようなコスト増加の原因は、経済状況の変化や法律・制度の改正など様々な要因が考えられます。例えば、労働市場が厳しい中で求人難による人件費の上昇や、新型コロナウィルスの影響による物流コストの増加が挙げられます。

また、デジタル技術の導入が進む中で、セキュリティ対策情報管理のためのコストも増加しています。

中小企業がこれらのコストを削減するためには、業務の効率化やプロセスの見直しが必要です。最新のデジタル技術を活用することで、業務プロセスを自動化し、人件費や物流コストの削減が期待できます。

「情報共有・進捗管理」をデジタルでスムーズに

中小企業において、情報共有や進捗管理の課題が存在しています。

特に、従業員が複数の場所で作業をする場合や、外部の協力会社や取引先との情報共有が必要な場合に課題が顕著になります。

従来は、メールや電話、直接の対面などのアナログな手段が用いられていましたが、これらでは情報の漏れや不備が生じる可能性があります。そのため、情報共有進捗管理において、デジタルツールを活用することが求められています。

情報共有や進捗管理の課題を解決することで、業務の効率化や生産性の向上が期待でき、中小企業の競争力強化にもつながります。

「競争力の向上」をデジタルで実現

顧客ニーズや市場動向が急速に変化する現代では、中小企業も迅速かつ柔軟に対応する必要があります。

ライフスタイルの多様化に伴い、新しいビジネスモデルサービスが求められています。このような変化に対応できなければ、競合他社に追い越され、生き残りが厳しくなります。

また、異業種からの参入プラットフォーマーの登場など、新しい競合が生まれることもあります。

こうした状況では、デジタル化を進めることで、従来のビジネスモデルにとらわれないイノベーションを生み出すことができます。

例えば、小売業においては、オムニチャネル化が進み、ECサイトと実店舗を連携させた販売手法が求められています。また、データを活用したマーケティング施策を行い、顧客との関係性を深めることで、顧客ロイヤルティを高めることもできます。

以上のように、中小企業がデジタル化を進めることで、顧客ニーズや市場動向の変化に迅速に対応し、デジタル化によって発生したデータを使って新しいビジネスモデルやサービスを生み出すことができます。これにより、競争力を強化し、業績向上につなげることができます。

中小企業がデジタル化を成功させるポイント

ここでは、中小企業がデジタル化を進めていく際に意識したいポイントについて解説いたします。

中小企業のデジタル化は急務ではありますが、慌ててツールなどを導入するのではなく、社内の環境整備や経営層と現場とのコミュニケーション、必要に応じて専門家に助言を求めるなど、丁寧に進めていくことがポイントです。

  1. 経営者の理解と意欲
  2. 現場主体での推進
  3. コミュニケーションの改善
  4. セキュリティの対策・強化
  5. アウトソーシングの活用
  6. コンサルティングの活用

経営者の理解と意欲 ~まずは経営者がデジタルを理解するところから~

中小企業がデジタル化を成功させるためには、経営者の理解と意欲が不可欠です。

デジタル化は、ビジネスプロセスの改善や業務の効率化、新たなビジネスモデルの構築など、多くのメリットがありますが、同時に多くの課題も抱えています。

そのため、経営者はデジタル化の重要性を認識・理解することが必要です。

また、デジタル化に必要な「投資」に対する意欲も重要です。

よくわからないものに対して投資をする、というのは経営者としても非常に不安になるはずです。

そのためには、同業種などの成功事例を参考にするなどして、デジタル化のメリットや理解を深めることも1つの手です。

経営者自身がデジタルについて基本的なことを理解していれば、投資をすることの重要性やメリットもクリアになります。

現場主体での推進 ~中小企業のデジタル化は現場から~

中小企業がデジタル化を進めるにあたっては、「現場」が主体となって進めていく必要性があります。

なぜなら、現場が業務に関する詳しい知識を持っているため、現場の声を反映させることで業務効率化が図れるからです。

例えば、ある製造業の中小企業では、製品の品質管理業務において、従業員が手書きで記録を取っていました。しかし、この方法では正確さや効率性に問題がありました。

そこで、現場担当者が業務フローを検討し、デジタル化を試みました。試行錯誤を重ねながら、従業員の業務負荷を減らすために業務フローを改善し、コスト削減にも繋がりました。

また、デジタル化によって記録の正確性が向上し、品質管理の効率化に成功しました。

このように、現場が主体となってデジタル化を進めることで、業務効率化やコスト削減につながります。

ただし、専門性が必要な場合は外部の専門家に相談する必要があることや、導入後の運用においてもコミュニケーションが欠かせないことを認識しておく必要があります。また、業務フローや課題を把握するためには、現場の従業員に十分な業務知識を持たせておくことが重要です。

コミュニケーションの改善 ~デジタル化の土台を作る~

中小企業がデジタル化においてコミュニケーションの改善は重要なポイントの1つです。

中小企業においては、情報共有や意思決定のやり方に決まったルールなどが存在しない場合が多く、「欲しいときに必要な情報が探せない」といったことや「なぜこうした業務のやり方になっているのかわからない」といったことがあります。

こうした「コミュニケーション問題」に対してまずはデジタルを活用することで、他の業務領域にもデジタルを広めていくきっかけになります。

具体的には、「チャットツール」や「ビデオ会議システム」などのコミュニケーションツールの導入や、社内の「業務フロー」や「承認フロー」といったことを可視化、効率化するツールなどを導入して運用することです。

こうした情報共有の環境やルールの整備などを通じて、社員同士のコミュニケーションをスムーズしていくことがデジタル化の成功ポイントになります。

セキュリティの対策・強化 ~情報は常に狙われている~

中小企業がデジタル化を進める上で、セキュリティ対策は欠かせない重要なポイントです。

情報漏洩やハッキングなどのセキュリティ問題は、企業にとって大きなリスクとなるだけでなく、顧客からの信頼を失い、ビジネスに深刻な影響を与える可能性があります。

情報資産を保護するための企業の基本方針をまとめた「セキュリティポリシー」の策定やパスワード管理の徹底、ウイルス対策ソフトファイアウォールの導入も重要です。

デジタル化を進めていく際は、これらのセキュリティ対策やソフトウェアを導入することで、情報資産を守ることが求められます。

アウトソーシングの活用 ~自社ですべて賄うことにこだわらない~

中小企業がデジタル化を進める際、自社のリソースや人材だけですべてをまかなうことができるケースは稀です。デジタルに強い人材を採用するというのもなかなか難しいことです。

そこで、「アウトソーシング」を活用することで、人件費や固定費を抑え、専門的なスキルや知見が求められるデジタル化においても実現可能性が高まります。

アウトソーシングができる業務としては、システム開発、ネットワーク構築、セキュリティ対策、システム運用・保守、データ解析などが挙げられます。

コンサルティングの活用 ~積極的に専門家の知恵を借りる~

上記のアウトソーシングと併せて、「コンサルティング」を活用するというのも中小企業のデジタル化をスムーズに進める上では検討したい1つのポイントです。

専門家やコンサルタントを活用するメリットは、

  • 専門知識や経験を持っているため最適な戦略や解決策を提供できること
  • 予算やコスト削減策を提供すること
  • 導入後の運用支援やトラブルシューティングを提供できること
  • 中立的な立場から的確なアドバイスを提供できること
  • 技術的な課題だけでなく組織やビジネス戦略などの課題も対応できること

といったようなことが挙げられます。

自社の状況はどうしても客観的に見ることができない場合も多いと思いますので、こうしたコンサルティングを活用するすることも検討してみると良いでしょう。

中小企業がデジタル化を進めていくステップ

では、実際に中小企業がデジタル化を進めていく際には、どのような手順を踏んでいけばよいのでしょうか。

ここでは、デジタル化を進めていくための「ステップ」について簡単にご紹介いたします。

1
現状理解・課題整理

まずは、現在の業務プロセスやITシステムの仕組みを把握することが重要です。どのような業務でどのようなツールを使用しているのかを明確にすることで、どのような課題があるのかを把握することができます。
また、従業員や顧客からの意見や要望も集め、現状を客観的に見ることができます。

2
優先順位の決定

次に、把握した課題や問題点を整理し、優先順位を決定します。全ての課題を一度に解決することは難しいため、優先度の高いものから解決していく必要があります。例えば、業務の効率化やコスト削減に直結する課題は、優先度を高くする必要があります。

3
ツールの選定・トライアル・導入

優先順位が決定したら、その課題を解決するためのツールやシステムを選定します。導入する前に、無料のトライアルを行ったり、小さな領域で試すことで、自社に適したツールかどうかを確認することができます。

4
運用・教育・知識の共有

ツールやシステムを導入したら、適切に運用することが大切です。運用にあたっては、従業員に向けた教育やトレーニングが必要になる場合があります。また、専門的な知識を持つ人材がいない場合は、外部の専門家を活用することも考えましょう。運用や知識の共有には、社内のコミュニケーションを円滑にすることも必要です

5
効果の測定・改善

導入したツールが業務効率化や自動化、品質向上などの効果をもたらしているか確認しましょう。ツール導入にかかった費用に対して、どれだけの業務効率化や自動化が達成されたのか、数値で評価します。導入したツールが想定していたように機能していなかった場合などは改善策を検討します。

6
成果の社内共有

ツール導入後の成果を社内で共有し、従業員のモチベーションを高めることが重要です。具体的な数値や効果を示し、ツール導入がどのように業務に貢献したかをアピールしましょう。従業員の声を取り入れることで、ツール導入の成功をより実感し、積極的に活用することができます。

大まかには、こうしたステップを経て、デジタル化の「検討~導入~運用~定着」という流れを作っていくことが重要です。

デジタル化したい業務やテーマが明らかな場合は、細かい検討は飛ばしてツール選定やツールのテストから始めてみてもよいと思います。

いずれにしても、導入後の効果検証成果の共有は非常に大切なポイントです。

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おわりに ~デジタル化は急務! でも焦って飛びつかないこと!~

最後までお読みいただきありがとうございます。

今回は「中小企業のデジタル化を成功させる」ための「メリットの理解」や「検討ポイント」「進め方」などについて解説いたしました。

市場環境の変化や、自社でコントロールできない要因によるコスト増などで、中小企業が置かれている状況は年々厳しさをましてきています。

エスシードでは、そうした中小企業に寄り添って、デジタル化のご相談をオーダーメイドで親身になってサポートさせていただいております。

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