近年では、中小企業の商品販売や販促において、「Webサイトを活用しているがなかなか問い合わせが増えない」といったことや「SNSでの反応が思うように取れない」といったご相談を受けることが増えてきています。

今回は、そうした中小企業の「デジタルマーケティング」がなかなかうまくいかない理由や、成果を出していくためのポイントについて解説していきたいと思います。

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デジタルマーケティングとは何か?

まずは、「デジタルマーケティング」という言葉について簡単に解説したいと思います。

デジタルマーケティングは、インターネットやモバイルデバイス、ソーシャルメディア、電子メールなどのデジタル技術を用いて、製品やサービスを顧客にアピールするマーケティングの手法を指します。

具体的には、ウェブサイトやソーシャルメディア上の広告やコンテンツを活用したマーケティング、メールマーケティング、検索エンジンマーケティング、コンテンツマーケティング、リマーケティングなどが挙げられます。

デジタルマーケティングに取り組むメリットは何か?

デジタルマーケティングの利点としては、広告やコンテンツをより効果的に配信することができる点が挙げられます。

また、自社の顧客となるターゲット層を特定し、より精度の高い広告配信ができるため、無駄な広告費用を節約することができます。

さらに、デジタルマーケティングにおいては、広告の成果をリアルタイムで分析し、改善することができるため、スピード感を持って最適化ができるという利点があります。

近年では、デジタルマーケティングが企業のマーケティング戦略に欠かせない要素となっており、中小企業から大企業まで様々な企業が積極的に活用しています。

マーケティングとの違いは何か?

「デジタルマーケティング」と「マーケティング」がどのように違うのか、気になる方もいると思います。

簡単に言うと、マーケティングは広範なビジネス戦略を含む概念であり、デジタルマーケティングはその中の一部で、デジタル技術を活用したマーケティング手法を指します。

マーケティングは、製品やサービスを顧客にアピールするために、製品やサービスの開発・生産、価格設定、販売促進、販売、アフターサービスなどのプロセス全般を含むビジネスの戦略のことを指します。

一方、デジタルマーケティングは、上述のようにインターネットやSNS等を用いて、製品やサービスを顧客にアピールするマーケティングの手法を指します。

近年では、マーケティングにおける「デジタル」活用の重要性が非常に高まっているため、「マーケティング」と「デジタルマーケティング」を明確に区別するのではなく、マーケティングの様々なシーンでデジタルを導入していくことが増えてきています。

中小企業のデジタルマーケティングはなぜうまくいかないのか?

では、なぜ中小企業のデジタルマーケティングは成果を出しにくいのでしょうか?

中小企業のデジタルマーケティングがうまくいかない理由は、以下のようなものが挙げられます。

1. デジタルマーケティングに対する知識不足
2. 予算の制限
3. ターゲット層の特定の難しさ
4. コンテンツの質の低さ
5. 成果を出すまでに時間がかかる

それぞれ、簡単に解説したいと思います。

1. デジタルマーケティングに対する知識不足

中小企業の経営者やマーケティング担当者は、デジタルマーケティングの専門知識を持っていないことが多いため、適切な戦略やツールの選択や実施が難しいことがあります。

例えば、上述したような「メールマーケティング」「検索エンジンマーケティング」「コンテンツマーケティング」といったような言葉は、なんとなくの意味は分かるものの、具体的に何をどうればよいのかが分からない、という場合が多いかと思います。

特にデジタルマーケティングでは「カタカナ語」や、これまであまりなじみのないツールなどを使う必要が出てくるため、マーケティングに元々あまり力を入れていないような企業や、経営者などがそうしたことに関心がないような企業だと抵抗感が生まれてしまうことがあります。

2. 予算の制限

デジタルマーケティングは広告費が必要であり、中小企業にとっては予算の制限があるため、戦略を展開することが困難である場合があります。

中小企業の場合はそもそものマーケティング予算がほとんどない場合や、広告費用などをほぼかけていない場合も多いかと思います。

マーケティングにかけられる費用が月に数万~数十万円程しかない、という場合などは成果を上げるのが難しくなります。

3. ターゲット層の特定の難しさ

ターゲット層を特定することができない場合、適切なメッセージを届けることができず、広告効果が低くなってしまいます。

ターゲット層を明確にするためには、商品やサービスの特性や市場調査、競合分析などが必要になりますが、中小企業の場合はそうした施策を実施するための知識やスキル、予算が限られるため、自社の顧客ターゲットが明確でないまま商品を作ったり販売してしまうということが起こります。

4. コンテンツの質の低さ

デジタルマーケティングには、高品質なコンテンツが必要です。

しかし、中小企業はマーケティングのための十分な時間やリソースを割くことができないため、コンテンツの質が低くなることがあります。

よくあるのは、「コンテンツの目的や効果を明確に把握できていない」といったことです。

自社でホームページやSNSなどを運用していて、ブログ記事や投稿などをしてみても、ほとんど反応がなく問い合わせや売上に繋がらないといった状況におかれている企業は多いかと思います。

特に世の中に様々なコンテンツがあふれている中で、自社のコンテンツに注目を持ってもらうことは難しくなってきているのが現状です。

5. 成果を出すまでに時間がかかる

デジタルマーケティングは、成果を出すまでに時間がかかることがあります。

中小企業が即効性を求める場合、デジタルマーケティングに対して期待値が高すぎる場合があります。

費用をかけてWeb広告などを実施するのであれば、ある程度は成果が出やすいですが、SEO対策やSNS運用などは成果が出るまでに年単位での時間がかかることがあり、それに投じた時間や費用に対して売上を回収することができない、といった場合も多いでしょう。

これらの理由から、中小企業のデジタルマーケティングはうまくいかないことがあります。

しかし、適切な戦略と予算を用いて、定期的かつ継続的に取り組むことで、確実に成果を出すことができます。

中小企業がデジタルマーケティングで成果を出すためのポイント

では、実際に予算やリソースが限られる中小企業はどのようにデジタルマーケティングで成果を出していけばよいのでしょうか。

ポイントは以下の5つです。

1. デジタルマーケティングの知識の習得
2. 目標と戦略の明確化
3. ターゲット層の特定
4. 良質なコンテンツの作成
5. データの分析と改善

1つ1つ解説していきます。

デジタルマーケティングの知識の習得

まずは、デジタルマーケティングについて学び、専門知識を身につけることが必要です。

デジタルマーケティングの最新トレンドやツール、戦略などを定期的に調査し、取り入れることが重要です。

その際には、以下のようなポイントを意識して理解を深めていくことが重要になります。

  1. マーケティングの基礎知識
  2. デジタルツールの知識
  3. データ分析のスキル
  4. コミュニケーションスキル
  5. 最新トレンドの追跡

デジタルマーケティングも「マーケティング」である以上は、まずは「マーケティング」の基本を押さえることが重要になります。

また、デジタルマーケティングで実際に使用されることの多いツールや技術などをよく理解することも重要なポイントになります。

目標と戦略の明確化

デジタルマーケティングにおいては、どんな成果を挙げたいのかという目標を明確に定めることが重要です。

デジタルマーケティングの目標は、ビジネス目標と密接に関連している必要があります。

例えば、売上を増やすことやブランド認知度を高めることがビジネス目標であれば、それに対応したデジタルマーケティングの目標を設定する必要があります。

その際、目標を測定するための指標であるKPI(Key Performance Indicators)を設定する必要があります。

例えば、売上を増やすことが目標であれば、KPIはコンバージョン数、収益、売上などが考えられます。

また、デジタルマーケティングの目標を達成するためには、予算やリソースが必要です。

目標を設定する前に、目標達成に必要な予算やリソースを確保できるかどうかを検討することもポイントです。

ターゲット層の特定

中小企業の場合は「デジタルマーケティング」ということに関わらず、自社の顧客の「ターゲット層」が明確でない、という場合が多いです。

ターゲット層を明確にするためには、後述する「データ分析」や「マーケットリサーチ」「競合分析」といったことが必要になってきます。

また、実際に自社の商品を購入してくれている顧客に対してアンケートなどを実施するのも効果的です。

専門的な知識やスキルが必要になるため、これらの実施は決して簡単ではありませんが、必要に応じて外部の専門家やアドバイザーなども活用しながら、可能な限りターゲット層を明確にしていきましょう。

良質なコンテンツの作成

デジタルマーケティングで成果を出すためには、なにより「コンテンツの質」が非常に大切になります。

ここでの「コンテンツ」という意味は、実際に顧客に対して販売する商品のことではなく、以下のようなものを指します。

  1. ブログ記事
  2. 商品紹介動画
  3. SNS投稿
  4. ホワイトペーパー
  5. オンラインセミナー

デジタルマーケティングにおける「コンテンツ」は、顧客の興味や関心を引き、自社の商品の魅力を伝えるための販促物全般だと考えていただければよいと思います。

こうしたものを活用してマーケティングをしていくことを「コンテンツマーケティング」と呼びます。

コンテンツマーケティング」は、消費者の購買意欲を高めるだけでなく、ブランドの知名度向上や口コミ効果、SEO向上などの効果も期待できます。

しかし、消費者の情報過多の時代にあっては、単に多くのコンテンツを提供するだけでは消費者の心をつかむことはできず、質の高いコンテンツの提供が求められます。

データの分析と改善

デジタルマーケティングにおいて、「データ分析」を実施することは非常に大切です。

マーケティングに限らず、業務を「デジタル化する」ということは、そこで発生している様々な行動の結果などが「データとして残る」ということが大きなメリットになります。

デジタルマーケティングにおいてデータ分析が重要な理由としては以下が挙げられます。

  1. データに基づく意思決定が可能になる
  2. 投資対効果を最大化できる
  3. 顧客のニーズや行動を把握できる
  4. マーケティング戦略の改善が容易になる

特に大きな効果として期待ができるのが「顧客ニーズや行動を把握できる」という点です。

これまでのリアル店舗での商品販売のように、単に現金のやりとりだけで取引が終了してしまうような場合は、顧客の属性や趣味趣向といったデータをほとんど取ることができませんでした。

ところが、デジタルマーケティングにおいては顧客は事前に「会員登録」をして居住地や性年代などを登録していたり、過去にどのような商品を購入したことがあるのか、といったデータを事業者側が容易に分析することができます。

これらの情報を元に、よりニーズに合った商品やサービスを提供することができます。

ただし、こうした「データ分析」にはそれなりのスキルやツールを使いこなすITリテラシーが必要になるため、取り組みたいけど取り組めない、といった企業が多いです。

その際は、マーケットリサーチ等と同様に外部の専門家やアドバイザーなどの力を借りることも検討するとよいと思います。

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おわりに ~まずはできる部分からはじめてみましょう~

最後までお読みいただきありがとうございます。

今回は中小企業のデジタルマーケティングがなかなかうまくいかない理由や、成果を上げていくために必要なポイントについて解説いたしました。

デジタルマーケティングの戦略や目標を作るということは、専門的な知識が必要になるため、マーケティングの専任者などがいない中小企業にとっては、とてもハードルが高いように思えるかもしれません。

ですが、デジタルマーケティングに全く手をつけないというのはとてももったいないことです。

ブログ記事の作成や動画作成、Web広告など、取り組みやすそうな部分からまずはやってみる、というのも1つの手です。

デジタルマーケティングにお困りの際は、ぜひお気軽にエスシードにご相談ください。