中小企業も「デジタル化」を進めていくことが求められる昨今ではありますが、とはいえ、ITツールの導入はパソコン1台で済むことはなく、多くの費用がかかります。

そこで活用したいのが「補助金」や「助成金」といった制度です。これらの制度を利用することで、少ない費用負担でIT・デジタルツールを導入できます。

今回は「デジタル化」を推進していきたい中小企業にオススメの「補助金」や「助成金」をご紹介していきたいと思います。

この記事でわかること

✔ デジタル化に役立つ補助金や助成金について詳しく学べる
✔ 補助金・助成金を受け取るための条件が分かる
✔ 自社にあった補助金・助成金がわかる

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中小企業にオススメな補助金・助成金はコレだ!

今回は、中小企業のデジタル化やIT導入にオススメな補助金・助成金として以下のものをご紹介していきます。

  1. 人材確保等支援助成金(テレワークコース)(厚生労働省)
  2. IT導入補助金(「通常枠(A・B類型)」「セキュリティ対策推進枠」「デジタル化基盤導入枠」)
  3. 中小企業デジタル化推進支援補助金
  4. 観光事業者のデジタル化促進事業補助金(東京観光財団)
  5. 小規模事業者持続化補助金(全国商工会連合会)
  6. 事業再構築補助金
  7. ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金
  8. サイバーセキュリティ対策促進助成金

それぞれ受給するための条件や使用できる対象が細かく設定されており、企業ごとに受給できる補助金・助成金が異なります。本記事を参考に、自社の利用目的に合った補助金・助成金を探すのにお役立てください。

デジタル化・IT化に使える補助金

まずは、デジタル化に関する補助金から紹介します。条件は厳しいものの、高額な補助を受けられる可能性が高いです。

自社のビジネスにマッチした補助金があれば、申し込み条件を確認の上で申し込みをしてみると良いでしょう。

「IT導入補助金」 ~最大支給額は450万円!~

IT導入補助金」は比較的様々なITツールに活用できる補助金で、3種類の枠があります。

それぞれ導入できる製品群や価格など条件が異なるため、導入するツールに応じて適切な枠を選択しましょう。

参考 : 一般社団法人 サービスデザイン推進協議会 IT導入補助金

通常枠

通常枠」では、企業の業務全般に対するIT導入費用を広く補助します。

下記に紹介したサービスのほか、自社の課題に応じた様々なITツールの導入に使用できます。

内容説明
補助率・最大補助補助率 : 1/2
最大補助額 : 450万円まで
対象サービス労働生産性の向上に資するソフトウェア・クラウドサービス
対象サービスの例PCA人事管理+給与管理連携パック(人事・勤怠)Win Actor(RPA)など

セキュリティ対策推進枠

セキュリティ推進枠」は、セキュリティに関する特定のサービスを導入する際に使用できます。

サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に記載されているサービスのみが対象ですが、最大で100万円までの補助が受けられます。

内容説明
補助率・最大補助補助率 : 1/2
最大補助額 : 100万円まで
対象サービスセキュリティに関する特定のサービス
対象サービスの例CSPサイバーガードPCセキュリティみまもりパックセキュリティ見守りサービス「&セキュリティ+」

デジタル化基盤導入枠

デジタル化基盤導入枠はPCやタブレット・プリンタやPOSレジといったハードウェア危機を含むIT基盤導入に使用できます。

ソフトウェアの枠とハードウェアの枠が用意されており、「これからIT化を始めたい」という場合におススメです。

内容説明
補助率・最大補助補助率 : 50万円までは3/2、350万円までは2/3
最大補助額 : ハードウェアは最大10万円
対象サービス会計、受発注、決済、ECのいずれかの機能をもつソフトウェアPCやタブレットの購入費用
対象サービスの例マネーフォワードクラウド(会計)アクセス AI OCR(受発注)等

中小企業デジタル化推進支援補助金 ~IT全般に適用されて使い勝手がよい~

中小企業デジタル化推進支援補助金」は、各自治体で実施している制度でITに関する導入に使用できます。

以下の例では、横浜市の制度を例に紹介しますので、詳細は最寄りの自治体の募集ページなどをご確認ください。

内容説明
補助率・最大補助補助率 : 1/2
最大補助額 : 200万円
対象サービスデジタル化に係わる全般
対象サービスの例パソコンやその周辺機器生産性向上に資するソフトウェア(※1)

※1・・・同市が実施する「中小企業デジタル化相談」を受け、その場で提示されたサービスが対象であるため、自分でツールを選択できないことに注意が必要です。

自治体ごとに条件や公募期間が異なりますので、最寄りの自治体の情報を確認するようにしましょう。

観光事業者のデジタル化促進事業補助金(東京観光財団) ~観光業DXに必須!~

対象は東京都内の観光事業者に限られますが、観光に関するサービス・ソフトウェアの導入をサポートします。

小売や宿泊といった、観光業に関する製品やサービスを新たに導入する際にはぜひ活用したい補助金です。

参考 : 公益財団法人 東京観光財団 観光事業者のデジタル化促進事業補助金

内容説明
補助率・最大補助補助率 : 2/3
最大補助額 : 2,000万円
対象サービス観光業の直接業務に関連するサービス
対象サービスの例販売管理システム予約・決済システム個室の空室や店舗の混雑状況を通知するサービス

小規模事業者持続化補助金 ~身近なデジタル導入に使える~

小規模事業者が自社の経営を見直し、自らが持続的な経営に向けた経営計画を作成した上で行う販路開拓や生産性向上の取組を支援する制度です。

特に、賃上げ物価高騰インボイス制度の導入などに関する費用増に対応するための補助を目的としています。

下記の他に、従業員の賃上げやインボイス制度に対する補助金を追加で受給できます。この補助金を申請する際には合わせて確認しておくと良いでしょう。

参考 : 商工会議所地区 小規模事業者持続化補助金事務局 小規模事業者持続化補助金

内容説明
補助率・最大補助補助率 : 2/3
最大補助額 : 最大50万円
対象サービス補助対象業務に関する経費全般(一般事務に係わる費用は除外)
対象サービスの例ウェブサイトやECサイトの構築・運営(外注含む)業務用印刷機・3Dプリンター(複合機などの一般的なプリンタは対象外)

事業再構築補助金(中小企業庁) ~思い切ったビジネス展開をしたいときに~

新型コロナウィルスの影響により売上の回復が難しい中、今後のウィズコロナ・ポストコロナの時代に対応すべく事業転換・再編に挑戦する企業を応援する補助金です。

参考 : 中小企業庁 事業再構築補助金

内容説明
補助率・最大補助補助率 : 1/2
最大補助額 : 2,000万円(従業員数が20人以下の場合)
対象サービス補助対象業務に関する経費全般(一般事務に係わる費用は除外)
サービス例AWSなどのクラウドサービス利用料金クラウドサービスに付帯するルーターやプロバイダの料金(専用線の設置や運用費などが対象)Salesforceなどの顧客管理サービス

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 ~デジタルサービスを広めるときに~

DX(デジタルトランスフォーメーション)に関する製品やサービスを提供する場合や、デジタル技術を自社の生産プロセス等に導入する際に申請できる補助金です。

サービスの導入よりも、自社で展開するサービスの運営に必要な経費を補助してくれるものと考えると良いでしょう。

参考 : 全国中小企業団体中央会 ものづくり補助金総合サイト

内容説明
補助率・最大補助補助率 : 2/3
最大補助額 : 1,250万円(従業員数21人以上の場合)
対象サービス補助対象事業の開発または運用に関連する技術やサービス
サービス例AIなどのDX関連サービスAWSなどのクラウドサービス利用料金

デジタル化・IT化に使える助成金

補助金の多くは給付にあたっての条件が厳しい場合が多く、条件を満たしても必ず受給できるとは限りません。

一方で、今回紹介する助成金は条件が緩く、補助対象も明確であるためぜひ活用しましょう。

人材確保等支援助成金(テレワークコース) ~デジタルに対応できる働き方にする~

テレワークを推進するために必要な経費を助成する制度です。

条件も緩く申請しやすいため、テレワーク(リモートワーク)をこれから始めようとする企業におススメの制度です。

参考 : 厚生労働省 人材確保等支援助成金のご案内

内容説明
補助率・最大補助補助率 : 30%
最大補助額 : 100万円
対象サービステレワークに関する機器購入、またはリモート接続サービスの利用料
対象サービスの例テレワーク用のPC、タブレットなどの
通信端末リモートデスクトップ・VDIサービスTeamsやZoomなどのオンライン会議
サービス利用料

サイバーセキュリティ対策促進助成金 ~中小企業のセキュリティ対策に~

インターネットを介したサイバー攻撃への対策は中小企業といえど避けては通れませんので、自社の機密情報を守るためにもセキュリティ製品の導入は必須と言えます。

本助成金は、そのサイバーセキュリティに関する機材の導入や運用費用を助成します。

参考 : 東京都中小企業振興公社 令和4年度 サイバーセキュリティ対策促進助成金 申請案内

内容説明
補助率・最大補助補助率 : 1/2
最大補助額 : 1,500万円
対象サービスサイバーセキュリティ対策を実施するために必要となる下記の機器等の導入、およびクラウド利用に係る経費
(1)統合型アプライアンス(UTM等)
(2)ネットワーク脅威対策製品(FW、VPN、不正侵入検知システム等)
(3)コンテンツセキュリティ対策製品(ウィルス対策、スパム対策等)
(4)アクセス管理製品(シングル・サイン・オン、本人認証等)
(5)システムセキュリティ管理製品(アクセスログ管理等)
(6)暗号化製品(ファイルの暗号化等)
(7)サーバー(最新のOS搭載かつセキュリティ対策が施されたものに限る)
(8)標的型メール訓練
対象サービスの例UTM(総合セキュリティサービス)の導入費用ネットワーク脅威対策製品(FW、VPN、不正侵入検知システム等)コンテンツセキュリティ管理製品(ウイルス対策、スパム対策等)
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おわりに ~中小企業のデジタル化に支援金は必須~

最後までお読みいただきありがとうございます。

今回は中小企業のITやデジタル化にオススメの補助金・助成金について紹介いたしました。

それぞれ詳細な条件が定められており、多くの場合はビジネス計画の提出が求められます。明確な目的がないと受給できないという点に注意しましょう。

逆に言えば、補助金・助成金を申し込む際には自社のビジョンを明確にし、どのような戦略をもって会社経営をするのかを提示できれば受給は容易であると言えます。

ITやデジタル導入にお困りの際は、ぜひお気軽にエスシードにご相談ください。