中小企業にとって、社内業務をいかに効率よく処理していくかは売上やコストに直結してくるため非常に大切なテーマです。
そうした中で、これまで多くの時間をかけてきた業務を大幅に効率化あるいは自動化できるようなツールが世の中に数多く登場するようになってきました。
今回は、そうした「デジタルツール」の中でも中小企業に絶対に使ってほしい、特にオススメなものを厳選し、業務のジャンル別にわかりやすくご紹介いたします。
「社内連絡」で使えるオススメのツール
ここでは、「社内での連絡」「情報共有」といったことを効率化できるツールについてオススメのものをご紹介いたします。
Slack(スラック) ~メッセージアプリとして人気が高い~
「Slack」はビジネスで使われるメッセージングアプリで、テキストチャット・音声通話・ビデオ会議・ファイル共有などの機能を提供し、複数のチームメンバーで共同作業が可能です。
メリット | ・リアルタイムコミュニケーションが可能で、迅速な情報共有ができる。 ・他のアプリケーションとの統合が容易で、作業効率が上がる。 |
デメリット | ・情報が錯綜しやすく、管理が難しい場合がある。 ・無料版ではアーカイブが制限される。 |
費用 | 無料プランと有料プランがあります |
Microsoft Teams(マイクロソフト・チームズ)~マイクロソフトのチャットアプリ~
「Microsoft Teams」は、Microsoftが提供するビジネス向けのコミュニケーションプラットフォームで、ビデオ会議、チャット、ファイル共有、プロジェクト管理などの機能を備えています。
メリット | ・ビデオ会議機能が充実しており、リモートワークに適している。 ・Microsoft 365との統合が容易で、他のMicrosoft製品との連携がスムーズに行える。 |
デメリット | ・オンラインでのコミュニケーションに慣れていない人には使い方が難しい場合がある。 ・機能が多く複雑であるため、使いこなすには時間がかかることがある。 |
費用 | ・基本的なことは無料プランで対応可能。 ・一般法人向け有料プランは1ユーザー月500円〜。 |
Chatwork(チャットワーク)~日本製の安心感~
「Chatwork」は、日本発のビジネスチャットツールで、チーム内でのコミュニケーションを円滑にすることができます。チャット、タスク管理、ファイル共有などの機能を備えています。
メリット | ・日本語に対応しており、日本企業に適している。 ・チャットルームの整理がしやすく、情報管理がしやすい。 |
デメリット | ・ビデオ会議機能がないため、リモートワークには不向き。 ・タスク管理機能が充実しているわけではないため、複雑なプロジェクトには不向き。 |
費用 | ・フリープランがあり、無料で利用できる。 ・ビジネスプランは1ユーザー月500円〜。 |
「勤怠管理」で使えるオススメのツール
ここでは、出勤時間や退勤時間、出勤日といった勤怠管理業務に役立つデジタルツールについて、オススメのものをご紹介いたします。
HRMOS勤怠(ハーモスキンタイ)~月額100円からスタートできる~
初期費用0円、月額費用0円から使える勤怠管理システム。人事・労務の専門ノウハウが凝縮されており、労基法に準拠した労務管理を容易に行えるようになっています。
日々の打刻履歴や月次の勤怠実績をレポートやグラフなどで可視化できます。
メリット | ・コスパがいい ・無料版でも、勤怠管理サービスの基本機能が十分そろっている |
デメリット | ・機能の多さゆえに、管理画面内の情報量が多い |
費用 | ・フリープランは、30名以下で、基本機能を無料利用可。 ・有料プランの「勤怠管理基本機能」は、1ユーザーあたり100円。 ・「勤怠管理 オプション機能:有給休暇管理・届出申請」は、1ユーザーあたり100円。 ・「勤怠管理 オプション機能:シフト」は、1ユーザーあたり50円。 ・「日報 基本機能」は、1ユーザーあたり50円。 |
ジョブカン勤怠管理 ~シフト制の業種にはピッタリ~
「ジョブカン勤怠管理」は、様々な職場環境や働き方に合わせた多彩な打刻方法を提供しており、リアルタイムでスタッフの勤務状況を確認できる出勤管理、シフト管理、そして複雑な休暇管理を簡単に行える休暇・申請管理など、さまざまな機能があります。
また、超過労働対策や外国語表示、医療機関特化など、特定の業界に特化した機能も備えています。
メリット | ・勤怠管理のミスが減る ・作業効率が上がる ・従業員の負担軽減 |
デメリット | ・スマホなどのモバイル端末を主とするので、通信環境が必要。オフラインだと使用不可。 |
費用 | ・「無料プラン」「有料プラン」がある。 ・「無料プラン」は、機能に制限。 ・「有料プラン」は、機能数ごとに料金が変わり、機能が1つだと、1ユーザーあたり、月額200円。2つだと300円。3つだと400円。4つだと500円。 |
KING OF TIME(キングオブタイム) ~265万人が利用する勤怠システム~
パソコンとインターネット環境があれば、どこでも利用できるクラウド型の勤怠管理システム。
出退勤、残業時間の集計がクラウド上でできるので、勤怠管理者の業務負担を大きく削減できます。
PCでの打刻をはじめ、顔認証や指紋認証などの生体認証やICカードなど、様々な働き方に合わせた打刻方法が選べます。また、紙のタイムカードやExcelでの勤怠管理など、独自の勤怠ルールを持つ企業でも利用できます。
メリット | ・シンプルでわかりやすい画面操作(画面構成が非常にシンプルに設計されているため、直感的に操作できる) |
デメリット | ・電話サポートに難あり(電話サポートが「予約制」であり、いつでもサポートを受けられるわけではない) |
費用 | ・初期費用0円で、高機能勤怠管理システムが利用可。 ・月額300円×打刻人数が主なコスト。また追加オプションなしで、人事労務、セキュアログイン、データ分析、給与計算などの機能が利用可。 |
「会計処理」で使えるオススメのツール
ここでは、受発注等の会計処理を効率化できるオススメのツールをご紹介いたします。
楽楽明細 ~印刷・封入・発送の手間がゼロに~
「楽楽明細」では、請求書を電子化することができます。
これにより、毎月の印刷・封入・発送の手間がなくなります。
さらに、発行先に応じてWEB、メール添付、郵送、FAXで送付可能です。受取側の処理もスムーズに行え、経理の働き方改革に貢献することができます。
導入までのサポートも充実しており、軽減税率にも対応可能です。
メリット | ・印刷・封入・発送の手間を削減できる。 ・発行済みの請求書が検索しやすく再発行や修正依頼にすぐ対応できる。 |
デメリット | ・請求書電子化の受け入れが難しい取引先もいる。 ・導入にあたり、社内の業務フローの見直しが必要。 |
費用 | ・初期費用 100,000円〜 ・月額 25,000円〜 |
TOKIUMインボイス(トキウムインボイス)~請求書はもう必要ない~
「TOKIUMインボイス」は、取引先から直接請求書を受け取る必要がなく、承認・支払・仕訳・保管業務を完結させる請求書受取サービスです。
人力作業を代行し、請求書の受取・確認・明細入力・振り分け業務を全て処理します。
データ化された請求書はリモートで簡単に検索・照会することができます。
メリット | ・経理担当者が請求書の受け取りだけのために出社しなくて良くなる。 ・紙請求書がデータ化されるので、検索・参照が簡単になる。 |
デメリット | ・取引先(受け取り側)の受け入れが難しい場合がある。 ・請求書をデータ化することでセキュリティの問題が出てくる。 |
費用 | 「初期費用」+「基本利用料1万円〜」+「請求書 の件数による従量制」 |
バクラク請求書 ~どんな請求書も読み取れる~
「バクラク請求書」とは、請求書の受取から支払処理までを効率化できるシステムです。
AI-OCR機能が搭載されており、取引先から受領した請求書をアップロードするだけで、わずか5秒でデータ化できます。
また、仕訳データの自動学習機能も搭載されていることが特徴です。
メリット | ・一度登録された仕訳データは自動学習され、手入力がゼロに。 ・作成された仕訳データは様々な会計システムのフォーマットに対応しているためスムーズな連携が可能。 |
デメリット | ・請求書をデータ化することで、システムトラブルがあった際には影響を受ける。 ・システムトラブルが発生した際の運用を定める手間が発生する。 |
費用 | ・基本プランは、初期費用(中小企業は無料)+月額(20,000円〜) |
「営業効率化」で使えるオススメのツール
ここでは、「営業」の予実管理や商談進捗などを効率化できるオススメのツールについてご紹介いたします。
eセールスマネージャー ~利用継続率は驚異の95%~
「eセールスマネージャー」は、約5,500社で利用されている営業支援システムです。
業種・業界・企業規模を問わず、徹底的なサポートによって導入から定着までのDXを支援しており、95%の企業が組織に定着しています。
メリット | ・経営層にも営業担当者自身にも分かりやすい予実管理が可能。 ・商談進捗や担当者の活動内容などを一目で把握できる。 |
デメリット | ・導入・ランニングコストがかかる。 ・運用を浸透させる必要がある。 |
費用 | ・1ユーザーあたり、月額11,000円 |
Senses(センシーズ )~営業管理はバッチリ~
「Senses」はクラウド型のSFAです。
名刺データや商談情報だけでなく、メール送信やレポート作成、引継ぎなど、営業管理に関する業務を1つのツールで完結できます。
Excelやスプレッドシートへの入力や情報共有MTGなどに費やす時間を削減し、生産性を向上させることができます。
メリット | ・シンプルでだれでも直感的に扱える。 ・AIの分析により、フォローするべき顧客の選定を簡単に行える。 |
デメリット | ・シンプルであるが故に、細かいカスタマイズができない。 |
費用 | ・5ユーザーあたり、月額27,500円~ |
UPWARD(アップワード)~人気急上昇中の営業支援アプリ~
「UPWARD」は、スマートフォンやタブレットで直感的に操作できるGPS機能を活用した営業支援アプリです。
大手企業を中心に約400社で導入され、その実績から、導入1年後には売上実績が5.5倍に向上するなど、営業の組織力強化に貢献しています。
メリット | ・顧客情報の管理を簡易化できる。 ・担当者がスマホで簡単に報告できるので、上司がリアルタイムの指示が可能になる。 |
デメリット | ・導入・運用にコストがかかる。 ・効果が実感できるまで時間がかかる。 |
費用 | ・1ユーザーあたり、月額3,800円〜 |
「マーケティングオートメーション」で使えるオススメのツール
ここでは、マーケティングの各種業務を効率化・自動化できる「マーケティングオートメーションツール」についてオススメのツールをご紹介いたします。
SATORI(サトリ)~1000社以上のマーケティングをサポート~
「SATORI」は、国産のマーケティングオートメーションツールであり、Webサイト内の行動履歴を把握し、名前が分かっている見込み顧客だけでなく、匿名の見込み顧客にもアプローチすることができます。
興味関心の高い見込み顧客を特定し、適切なタイミングでアプローチできるため、導入企業のマーケティング戦略に役立てることが可能です。
メリット | ・見込み顧客の獲得を自動化で行える。 ・複数ドメインの施策を一元管理できる。 |
デメリット | ・比較的コストがかかる。 ・インサイドセールス機能が不足している。 |
費用 | ・初期費用 300,00円 ・月額 148,000円 |
Hubspot(ハブスポット)~マーケティング業務を強力にサポート~
「HubSpot」は、ビジネスに欠かせないマーケティング、営業、コンテンツ管理、カスタマーサービスといった業務に対応した、オールインワンのCRMプラットフォームです。
プラットフォームには、単体でも大きなメリットがある各ソフトウェアが備わっており、それらを組み合わせることで何倍もの効果を発揮できます。
メリット | ・無料で基本的な機能を利用できる ・統合的なツールであるため一元管理ができる |
デメリット | ・外資系のツールのため日本語に違和感がある。 ・ツールの導入や運用定着までには時間がかかる。 |
費用 | 月額 96,000円〜 |
Bow Now(バウナウ)~サイトに訪問したユーザーを徹底的に理解~
「BowNow」は、訪問したユーザーの企業名を自動で識別し、マーケティング活動に活用することができるサービスです。
自動で見込み顧客を振り分けることにより、保有リストの状況を可視化し、適切にアプローチすることができます。また、ユーザーの行動ログを取得し、閲覧時間などの詳細な情報を把握することができます。
メリット | ・簡単な操作でアプローチすべき顧客を自動抽出できる。 ・完全無料のフリープランを用意している。 |
デメリット | ・コンテンツを作り続ける体制が必要。 |
費用 | ・フリープランは無料で使用可能 ・有料プランは、月額 12,000円〜 |
「プロジェクト管理」で使えるオススメのツール
ここでは、新規事業や商品開発などの社内の「プロジェクト」を効率よく進めていく際に役立つツールをご紹介いたします。
Asana(アサナ)~世界で7万社に導入~
「Asanaは」、チームのプロジェクトやタスクを効率的に管理できる、豊富な機能を備えたプロジェクト管理ツールです。
全世界で7万社以上が導入し、Google、Asana、Slackを合わせて「GAS」と呼ばれるようになり、新しい仕事の管理方法として注目されています。
Asanaの大きな特徴は、多数のアプリとの連携が可能であることです。
メリット | ・複数のプロジェクトを視覚化して管理できる。 ・タイムライン機能でスケジュール管理をサポートしてくれる。 |
デメリット | ・外資系ツールのため、ツールに関する情報がネットや書籍に少ない。 ・人数が増えるとコストがかかる |
費用 | ・無料のベーシックプランがある ・有料プランは1ユーザーあたり月額 1,200円〜 |
Stock(ストック)~情報共有が簡単に~
「Stock」は、複数のメンバーでのリアルタイム情報共有を可能にする「ノート」機能を備えたシンプルなツールです。
ノート内には、関連するメッセージやタスクが紐づけられ、情報のやり取りがスムーズに行えます。
また、ファイルや表などもノート上で共有でき、業務効率の向上につながります。使い始めも容易で、誰でも使いこなせることが特徴です。
メリット | ・PC・スマホ・タブレットのいずれも対応している。 ・カスタマーサポートが充実している。 |
デメリット | ・通知が増えて自分の仕事に集中できない。 ・情報量が多くなり、必要な情報を探し出せない。 |
費用 | ・5ユーザーまで無料のフリープランを利用可。 ・有料プランは5ユーザーあたり月額 1,980円〜 |
Jooto(ジョートー)~カンバン方式でプロジェクトを管理できる~
「Jooto」は、カンバン方式のプロジェクト管理ツールであり、ふせんを貼ったり、はがしたりするような直感的な操作でタスクを管理できます。
ユーザーにとって専門知識が必要なく、使いやすく、シンプルなデザインを採用しています。
また、無料で利用できるJootoには、プロジェクトのスケジュールが一目でわかるガントチャート機能も備えられています。
メリット | ・シンプルなのに高機能であること。 ・タスク管理ツールが便利なところ。 |
デメリット | ・ツールの中でのコミュニケーションが取りづらい ・細かいカスタマイズができない。 |
費用 | ・無料プランあり ・有料プランは1ユーザーあたり月額 417円〜 |
「契約処理関連」で使えるオススメのツール
ここでは、販売契約や労働契約などの契約業務を効率化できるオススメのツールをご紹介いたします。
クラウドサイン ~契約業務電子化の先駆け~
「クラウドサイン」は、あらかじめ合意が済んでいる契約書や発注書などの書類をアップロードし、相手方が同意することで相互合意が成立し、電子署名が施されるサービスです。
さらに、電子署名が施された書類の保管・管理も、サービス上で行うことができます。
メリット | ・スピーディに契約締結できる。 ・機能が充実している。 |
デメリット | ・立会人型の電子署名方法であることからなりすましのリスクがある。 ・メール認証という認証方式なので、メールアドレス流出により不正認証されるリスクがある。 |
費用 | 月額 11,000円〜 |
Shachihata Cloud(シャチハタクラウド)~電子印鑑を110円から使える~
「Shachihata Cloud」は、電子印鑑を中心とした仕組みであり、既存の角印や個人印などを電子データとして管理することができます。
この電子印鑑を使うことで、紙の書類で行っていたワークフローをそのまま電子化することができる特徴があります。
メリット | ・クラウドサービスのため、インターネット環境さえあればどこでも利用できる。 ・今まで紙で行っていたフローをそのまま運用できる。 |
デメリット | ・契約が10名単位しかない(支払い方法が銀行振込の場合)。 ・サポートされているブラウザが少ない。 |
費用 | 1ユーザあたり、月額110円〜 |
承認Time ~社内の面倒な申請業務を効率化~
「承認TIME」は、社内文書の申請・決裁・保管業務を電子化するクラウド型のワークフローシステムで、稟議申請や捺印申請などが含まれます。
Web上で完結できるため、リモートワークや複数拠点からでもスムーズな意思決定ができます。
メリット | ・かんたん設定で手軽に導入できる。 ・いつでもどこでも申請・承認が可能。 |
デメリット | ・検索機能の精度が高くない。 ・複数のファイルを一度に添付できない。 |
費用 | ・初期費用無料 ・10ユーザあたり、月額 3,000円〜 |
おわりに ~社内業務のほとんどはデジタル化できる~
最後までお読みいただきありがとうございます。
今回は中小企業のIT導入やデジタル化にオススメなツールを厳選してご紹介いたしました。
近年では、社内のほとんどの業務に対して効率化、自動化するツールが世の中に存在していることがお分かり頂けたかと思います。
こうしたツールの導入は、最初はよくわからなかったり、とっつきにくい部分があるかもしれませんが、何か月か使用すればいつの間にか慣れてしまうものです。
もし「自社のどの部分をデジタル化したらよいかわからない」「自社にどんなツールが合うかわからない」といったようなお困りがございましたら、ぜひお気軽にエスシードにご相談ください。